
3月の大人コースは
『くらげのパポちゃん』
文 かこさとし
絵 中島加名
講談社 1,870円
渡し船の桟橋の上では今から働きに行く青年富吉の姿があります。
父親の甚吉さんはこの桟橋から戦争にむかっていきました。
周りの人々は父親の甚吉さんの分までしっかりやるんだぞと富吉に声をかけて手を振っております。
海の中ではくらげのパポちゃんが親子の様子を知りヤドカリくんに話します。
ヤドカリくんはすでに甚吉さんが戦争に出て行ったことを知っていて話してくれました。
甚吉さんたち大勢の兵隊たちを乗せた船は
南の戦場に行く途中沈められ、そのまま死んだことがあとになってわかったのです。
くらげのパポちゃんはその話を聞いて南の島へ目指します……。
そこで目にしたのは?!
かこさとしの戦争を伝える絵本『秋』(講談社)が2021年7月に発行され、さらに今回の『くらげのパポちゃん』がお孫さんの中島加名さんが絵を描き祖父かこさとしから受け継がれた作品として話題をよんでいます。
さらに長女鈴木万里さんのメッセージがこの本の最後のぺージに掲載されています。
〘加古は晩年「戦争の本を作りたが、なかなかできない」と繰り返していたのですが、先に発見された『秋』(講談社)同様、このパポちゃんも戦争を伝える貴重なメッセージです。このお話に込められた深い思いを感じとっていただけたら幸いです。[鈴木万里(かこさとし長女)〙 (孝子)
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