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「読書」すること

 「読書の秋」です。秋を何に実感されますか?コロナ自粛だったり、長雨で稲刈り大丈夫かなと心配したり、それでもちゃんと、ひがんばなは咲きました。自然は人が思う以上にたくましいのでしょう。秋に何を思うか、人それぞれです。また、読書のありようも様々です。いつも、手元に本がないと不安な人。何冊も同時並行して読み進める人。私は自分と対話するために、本を読んでいるようです。困ったこと、苦しいことがあると本を開きます。手当たり次第に漁るように読むのです。だから、1度読みだしたら一気呵成に読了します。途中、何か違うなと感じると読み飛ばしたりして、作者さんには失礼なことをします。何があってもきちんと読むという友人は、大変生真面目な努力家で、ここにも人柄がでるのだなあと感心します。
 いつから、手元にあるのか定かではありませんが、手放したくない文庫本があります。「生きるかなしみ」山田太一さんの編集です。何かあるたびに、ページをめくっていました。バブルがはじける前に出されたので、30年近く経ちかなり茶色くなっています。他人からは、地位も名声も得て幸せに違いないと思われた人の「人間には、絶対に生まれ変わりたくない」の独白。一番ショックでした。様々な人生と哀しみが語られています。辛い事実に励まされるのでしょうか。何故手放せないのかわからないのです。もし、よろしければ手に取って見て下さい。まだ、販売されています。(千佳子)