「本の力」
酒井京子 著
童心社 1,650円(税込)
人生って何がおこるかわからない。長年、編集の仕事をしてきた私が、本を出版するなんて、思いもよらなかった。
この本は、たまたま名古屋で私が編集した絵本の話をしたことが、きっかけとなった。最初は冊子の予定だったが、それを読んだ童心社の社長と編集長が童心社で出版したいと言い出して、事態は大きく変わった。というのは、出版となれば使う言葉がちがってくるし、それにしたがって漢字カナの表記もきちんとしなければならない。たとえば、「ですます調」にするか「だった調」にするか?田中一光さんのような超有名なデザイナーも、最近の若者は知らないかもしれないので、ルビをふる必要があるのではないか?とか。
そのために、何度校正をしたかわからない。その上、現存している方には、内容に間違いはないか確認をとる必要もある。コロナで、自宅作業が多かったが、こんな忙しい日々は久しぶりであった。
同時進行で『ありがとう―田畑精一さんの歩いた道』展の準備も重なり、私は、本当に充実した日々を過ごすことができた。その上、たくさんの書評にとりあげられるというご褒美ももらえた。
今は、長年一緒に本創りをしていただいた著者の皆さんに、「ありがとう」と改めて言いたい。 (酒井京子)
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