絵本は子育ての日常にそっと陽だまりを作ってくれます。子どもが生まれたら一緒に本が読みたい。本を通してたくさんの世界を知ってほしい。そんな思いで子どもたちと本を読んでました。何度も何度も繰り返し読んだ絵本には、それぞれに思い出があります。
娘に弟ができたときに読んだ鈴木永子さんの「ちょっとだけ」。弟ができた姉の頑張る気持ちと切ない気持ちに娘を重ね、涙が出ました。
長男が夢中になった中川ひろたかさんの「つみき」。積み上げられた積み木がゆらゆら揺れて、てんとう虫が飛び立つと音を立てて崩れる場面。この単純な場面をケタケタ笑う息子の姿が見たくて、何度読んだかわかりません。
そして「100かいだてのいえ」シリーズに夢中になった次男。1つひとつの部屋の細部まで見て進むので、なかなか100階にたどり着きません。
私が幼い頃大好きだった「もりのかくれんぼう」と「はじめてのおつかい」。これを子どもたちと共有できたことも幸せな時間でした。
今、子どもたちは中学生や小学生になり、読む本も変わってきましたが、本を通した新しい世界との出会いを大切にしてほしいと思っています。たくさんの本と出会わせてくださったみやがわ書店は、私の3人の子育ての中で、いつも陽だまりの場所です。みやがわ書店に行くたびに温かい気持ちに包まれます。橋村さんのエネルギッシュな熱量に元気をもらいます。何かについて考えた<なる好奇心を持たせてもらいます。仕事ばかりが気になり、普段の生活が雑になっている自分を整えたくなります。
本との出会い、人との出会い、この温かい空間が愛おしいです。 中西麻実
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