今、お店では音楽や美術に親しめるような絵本を集めて「アートな本」コーナーとしてあります。でも、実はどの絵本も「アート」なんですよね。どの作品にも、思いやメッセージがつまっています。
ちょうど“今月の新刊”で紹介した『PING ピン!』では、気持ちを発信することを「ピン」、それを受け取ることを「ポン」と、可愛らしく表現しています。私は今、絵本に囲まれながら、いろんな「ピン」を受け取っているなぁと感じます。
例えばまついのりこさんのシンプルな絵は、赤ちゃんの心を理屈抜きにつかんでしまいますが、大人になって解るのは、その作品にはのりこさんの子への愛情、人生における信念が宿っているということ。また、さいとうしのぶさんや二見正直さんが来店され、直接お会いしてみると、その人柄をも作品は含んでしまうのだと感じます。
絵本を読むことで作家そのものを「ポン」するよろこび…
ところで、今月の大人コース『60秒のきせき』は、猫が奏でた旋律に主人公の心が動き、曲として完成させ、多くの人々に賞賛されたお話です。主人公の“受け取る心”がなければ、曲は生まれていなかったと思うと、それは「ポン」することの奇跡!「ピン」は突然やってくることもあるのですね。
そういえば、先日、一組の親子が来店されました。5才のりょうや君は“ワタリドリ”という曲を全部覚えたことが嬉しくて、聴いてもらいたい、でもちょっと恥ずかしい…。店主が「恥ずかしいの飛んでいけ~」とおまじないをすると、ス~と歌い始めました。
とっても長い曲を気持ちよくのびのびとうたう歌声が店中に響き、可愛くって美しい“ピン”に心が和みました。怖いものを恐れず、心の内を素直に自由に表現することって本当に素晴らしいですね!
(さつき)
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