絵本『じゃあじゃあびりびり』は日本中の赤ちゃんが初めて出会う本、絵本のバイブルとして定番です。赤ちゃんは、絵から身近な物や音を想像し、小ぶりなボードブックを存分に触って楽しみます。紙芝居『おおきくおおきく おおきくなあれ』は、その場のみんなの声で「小さなもの」を大きくする参加型紙芝居。国内はもとより、世界55カ国で演じられています。
作家まついのりこさんは、私たちの町にも、そして全国、世界に向けて「絵本と紙芝居」についての理論と実践を兼ねた講演や講座を広げてきた先駆者です。3年前(2017年2月)に亡くなられるまで、たくさんの作品を遺してくれました。そんな作品の数々に囲まれて、赤ちゃんから大人まで、ゆったりとした時間を過ごしていただきたく、「まついのりこフェア」を開催いたします。
また、紙芝居舞台を常設しますので、いつでも誰でも、自由に紙芝居を楽しんで下さればと思います。店内でお貸しできる紙芝居も色々ご用意してご来店をお待ちしています。 (孝子)
まついのりこの真骨頂は紙芝居作品
絵本作家の二見正直さんも『じゃあじゃあびりびり』で子育てされ、今は二見さん自身が作家として紙芝居を学ぶ中で、まついのりこさんの作品に深く触れていらっしゃいます。その思いを語ってもらいました。
私自身子育てに使っていた『じゃあじゃあびりびり』。乳幼児の心を釘づけにする、絵本作家としてのお力はさすがで、いまさら説明不要と思う。しかし、「作家まついのりこ」の真骨頂は紙芝居作品にこそある、と気付いたのはごく最近のことで、伊勢での勉強会の中で初めて触れた作品は圧倒的だった。紙芝居文化そのものに不勉強で参ったこれまでを、もったいなく思う。
超有名と言える絵本作品すら超える。そう感じる理由を上げてみると、ありありとした文学的美に、赤ちゃんに限らない読者が引き寄せられること。例えば『おおきくおおきく おおきくなあれ』であれば、幼児はもちろん学校に上がっても、中・高・大学生と進んでも、それ以上でも! 心の芯に届くような楽しさをどこかで感じられるでしょう。
ところが紙芝居というものは、触れられる機会として絵本に比べて実に少ない。なので、私をふくめた様々な年代の方が無意識に待望していた、今回の企画ではないでしょうか。 (絵本作家 二見正直)
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